確定拠出年金をわかりやすく①
確定給付年金と似ていますがまったく異なります。確定給付年金については過去記事をご覧ください。
確定拠出型をわかりやすく説明
仕組みはいたってシンプルです。加入者が拠出した掛金とその運用収益との合計額が給付額となる年金制度です。
そして、確定拠出型をDCと呼びます。「Defined Contribution Plan」の略ですね。
参考までに、確定給付年金をDBと呼んでいます。Defined Benefit planの略で、あらかじめ受給額(Benefit)が確定している(Defined)からです。
確定拠出年金の概要
わかりやすくすると、
拠出額が確定している年金です。
毎月、決まった額を積み立てていく制度です。
少し掘り下げます。給付額が決まっている確定給付年金に対して、確定拠出年金は加入時に拠出額(毎月の積立金)を決めた上で、運用状況によっては積立金以上の給付額を受け取ることができ、逆に給付額が減ることもあります。
自己責任、リスクは自分が負うのがポイントです!
企業型と個人型
確定拠出年金には、企業型と個人型の2つに部類されます。個人型は(iDeCo)とも呼ばれ有名ですよね。
いずれも老後資金を作る制度です。個人型(iDeCo)はご自身が老後に備える制度であり、企業型は会社の退職金(年金)制度です。
企業型確定拠出年金
企業型確定拠出年金は、企業が社員の年金口座に掛金を毎月積み立て、社員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う仕組みです。
社員は掛金をもとに、金融商品の選択するなど様々な運用を行い、定年退職を迎える60歳以降に、積み立ててきた年金資産を一時金(退職金)、もしくは年金の形式で受け取ります。
マッチング拠出
マッチング拠出というのは、企業が拠出する掛金に、社員自身の掛金を上乗せし、拠出額を増やすことができるものです。
ただし、会社によってはマッチング拠出ができないこともあります。
マッチング拠出のルール
マッチング拠出額には二つのルールがあります。
●上限がある
マッチング拠出の金額には上限が設けられています。会社の掛金との合計で拠出限度額である月額55,000円を超えることはできません
(ほかの企業年金がある場合は月額27,500円)
●会社掛金未満にする
企業年金の拠出者は会社であるという考えに基づき、会社の掛金を加入者本人の掛金が上回ることができません。
企業型の導入企業数
企業年金連合会によると、最新(令和元年12月)のデータでは、6,319社の導入、723万人の加入者数がいるということです。
グラフをご覧いただくと、年々、企業の導入数と加入者数が増えていることがわかります。
企業にとって、福利厚生の一環としての退職制度(年金)を充実させている表れですね。
確定給付年金が減少傾向にあるのとは、まさに対照的です。
まとめ
確定拠出年金は、毎月の掛け金が決まっているが、将来受け取れる給付金は、運用次第で増減する制度です。リスクを伴うのがポイントです。
企業型では、掛金は企業が負担してくれます。ただし運用の結果はあくまで社員の自己責任となり、運用成績によって将来受け取れる退職金・年金の額が変動します。
次回は個人型を紹介します。