退職金のマメ知識②
今日も退職金にまつわるマメ知識的なのもの。知っておくと良いこと第2回目です。少しだけですが知識が深まると思います。
退職金の税金事情
退職金制度には、退職一時金と企業年金のような分割受け取りの2種類があります。
一括受け取りと分割受け取りはどちらがお得か。
結果は一括受け取りに軍配が上がります。
退職金一括受け取りの税金
まず、退職一時金について、定年時などの退職時に一括で受け取るお金については、長年の労を労うことや、老後の財産形成のためにも、税制優遇が設けられています。
一括受け取りは、勤続年数に従って非課税枠が増えていく計算式となっており、長く勤めた方がお得になる仕組みです。
また一番の要因は、非課税枠が高額なため、退職金の全額が無税になる可能性もあるほど、税制の恩恵を受けています。
分割受け取りの税金
分割で年金として受け取る場合は、公的年金と合算された収入に税金がかかります。年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引き、それに対して所得税がかかるという仕組みです。
年金収入が増えると所得税が増えるため、一般的には分割受け取りが不利とされています。
税金だけを見てきましたが、もちろん退職金の額によって税金のかかり方も違いますし、将来の安心のため、分割という選択肢もあります。ご自身のライフプランにあった受け取り方を選ぶのがポイントです。
退職給付会計がなぜ導入されたか
「退職給付会計」という言葉、馴染みがないですよね。では「会計ビックバン」はどうでしょうか。簡単に概要だけご紹介します。
1990年代のバブル崩壊による株価の低迷により、年金の積立不足が表面化しました。いわゆる隠れ債務というものです。それに端を発し、この会社、実は危ないんじゃないの?という不安から退職給付会計が導入されました。
退職一時金と企業年金は同じ性質であるにも関わらず、従来は、退職一時金だけを負債に計上していました。
負債に計上するということは、うちの会社は将来、退職一時金として支出する予定の金額がいくらありますよ、負債、いわば借金はいくらですよと言っているようなものです。
一方で、企業年金の方は、実際に社員に支払った時点で処理をすれば良かったため、負債が見えなかったわけです。
したがって、企業年金も負債に計上するようになり、バブル崩壊以降、この退職給付会計のほか税効果会計、時価会計など一連の会計上の大きな変更を「会計ビックバン」と呼びます。