年金に関する報酬月額?標準報酬月額?
今日は、厚生年金の保険料についてお話しします。なんとなくわかっていると思いますが、制度の詳細と言われると説明できないのではないでしょうか。
保険料の決め方
国民年金保険料と決定的に違うところは、厚生年金保険料は給与の額によって保険料が変わってきます。
もっと詳細にお伝えすると、毎月の給与とボーナスに保険料率をかけて計算されます。したがって、給与が増えるにつれて保険料が上がっていく仕組みとなります。
それだけで終わらないのが、少し難しくしている理由のひとつです。「標準報酬月額」という言葉を聞いたことがあるかと思います。厚生年金保険料はこの「標準報酬月額」に保険料率をかけて計算されます。
標準報酬月額とは
さきほどは「給与」と簡単に説明しましたが、「標準報酬月額」とは何かを説明します。
ここでは、「報酬月額」と「標準報酬月額」という言葉が出てきます。明確に違いますので、これは覚えておいてください。
「報酬月額」
「報酬月額」とは、会社が社員に支払う一ヶ月の給与のことです。基本給のほか、通勤手当や残業手当などの各種手当を加えた1カ月の総支給額のことです。
ただし、臨時的に支払われるような出張旅費やボーナス(年3回まで)、結婚祝い金などについては、加えなくても良いことになります。
ここまでは、理解できると思います。次に「標準報酬月額」について説明します。これは聞いてしまえば、そうなんだ、という程度のものでとても簡単です。
「標準報酬月額」
その年の4月、5月、6月の3カ月間に支払われた「報酬月額」の平均額を計算することで月平均額が出てきますよね。
その月平均額を「標準報酬月額表」にある等級区分に当てはめれば、「標準報酬月額」が決まります。
もう少しわかりやすくするため、「標準報酬月額表」について説明します。
「標準報酬月額表」は31等級に分類
標準報酬月額表は都道府県ごとに作成されています。これは意外ですよね。健康保険料の算定にも使用されているため、都道府県ごとに必要な医療費の支出が異なるということのようです。
標準報酬月額表は31等級に分類されています。給与額の少ないものから大きいものへ段階的に31等級に分けられています。
例えば、29万円の給与(標準月額)の方の等級は「19」となります。報酬月額29万円〜31万円の範囲に相当するので、等級19に設定された30万円が「標準報酬月額」となります。
このように、「標準月額」の範囲がありますので、ご自身の「標準月額」がどの等級に該当するかで「標準報酬月額」が自動的に決まることになります。
まとめ
標準月額、標準報酬月額の違いはわかりましたでしょうか。毎月の給与に相当する支給額を標準月額と言います。
その標準月額を4月〜6月の月平均にして、「標準報酬月額表」に当てはめてみた結果、等級の金額が「標準報酬月額」となります。