厚生年金保険料はこれから上がるのか②
厚生年金保険料は、料率18.3%で維持されており、現在のところあがる予定はありません。
ただ、そうでもないんじゃないかと思い、調べてみました。
2004年の年金改革
遡ること2004年になりますが、年金制度改革にて、保険料率を段階的に引き上げる決定を下した年金制度史において大きな転換点でした。
あれから13年、引き上げは終了し、料率は18.3%で固定されています。
2004年当時、国は現役世代の収入と年金給付額の比率である所得代替率について「50%以上を確保する」と約束をしました。
所得代替率とは、公的年金の給付水準を示す指標で、年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現在の現役男性の平均手取り収入額(ボーナス込み)』と比較してどのくらいの割合かを示している指標です。
わかりやすくすると、所得代替率50%の場合だと現時点の現役世代の手取り収入の50%の額を、年金として受け取れることになります。
そう、保険料率を段階的にあげる代わりに所得代替率50%を当時の政権は約束しました。
100年安心宣言
2004年、 政府は『保険料を13年間上げ続ける代わりに100年安心の制度にする』と宣言したのは有名です。
だが、しかし、2014年には厚労省は所得代替率50%を維持するには25.9%の保険料率が必要であると示唆をしたんです。
10年経たずに厚生年金制度の維持が出来ないと言っているわけですから、ホントにどうしようもありません。
財政検証ってなんだろう
昨年、厚生労働省から、年金に関する「2019年財政検証」が公表されました。正式には「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」)と言うものらしいです^^;
財政検証とは、5年ごとに行われる最新の人口の将来推計などを踏まえ、現在の年金制度を前提にした場合、将来の年金財政がどのような姿になるかを検証するものです。
5年ぶりに年金制度について公表があるということですね。そう、2014年には所得代替率50%を維持するには25.9%の保険料率が必要であると示唆したのは前回の「2014年財政検証」でした。
2019年財政検証については次回ご説明します。
まとめ
2004年の年金改革にて、段階的に保険料率を引き上げる引き換えに、安心して老後生活を送ることができると当時の政権が約束をしました。
その10年後には、安心した生活を送るには保険料が足りないかもしれないと言い出しているわけです。
5年に一度公表される年金制度の検証「財政検証」ではどのような結末になっているのか。